簡単に!早く1曲弾けるようになりたいギター初心者の方へ!
ギター初心者の方がいろいろな曲を弾こうとすると、大抵の場合弾けないコードが出てきて挫折しそうになってしまいます。
そんな悩みを解決してくれるのが「パワーコード」になります。
またパワーコードは主にロックジャンルで多用されており、パワーコードだけでかっこいいギターフレーズが弾けるようにもなります。
この記事では、ギター初心者でも簡単にカッコいい曲が弾ける「パワーコード」とミュート奏法の基礎と練習方法を解説します。
ぜひパワーコードをマスターし、自分の好きな曲を弾けるようになっていきましょう!!
まずは私、Daisukeの自己紹介
どうも、音楽講師のDaisukeです。
現在私は作曲・編曲・DTM・ギターレッスンの講師及び職業作家として活動しております。
私の詳しい経歴は、以下をご確認下さい。
どんな曲でも省略して弾ける「パワーコード」とは?
そもそもコードとは「和音」のことになりますが、では実際パワーコードとはどういうものなのでしょうか。
パワーコードは
「ルートの音+5度」
もしくは
「ルートの音+5度+ルートの音(オクターブ上)」
という「たった2つの音階」で構成されたコードのことになります。つまりギター初心者の方にも「簡単に弾ける」コードなのです!たった2音で構成されているため、通常のコードより音階数が少ない分パワー感が出ます。
パワーコードがカッコいい曲
例えば
「ONE OK ROCK 完全感覚Dreamer」
この曲の27秒あたりで弾いているギターは、まさにパワーコードによるかっこいいリフだったりします!
このように簡単なフォームでカッコよく弾けるパワーコードをしっかりとマスターしましょう!
パワーコードの基本フォーム
ではパワーコードをどうやって弾くのか?具体的なフォームを確認してみましょう。
パワーコードの押さえ方は以下のようになります。
Cでパワーコードを弾く場合
2音だけCのパワーコードを弾くバージョン
3音だけCのパワーコードを弾くバージョン
人差し指で押さえているコードの軸となる音階を「ルート音」と呼びます。
このルート音に+して5度の音を「薬指」または「小指」で押さえます。
Cの場合は
- 人差し指→ルート音C
- 薬指or小指→5度G(Cの5度上)
ということになります。
チェックポイント
例外として、ルートの音が開放弦になる場合があります。
例えばパワーコードで「E」を弾く場合、6弦の開放弦の音がEなので、人差し指の部分がなくなります。
「E」のパワーコードを弾くバージョン
こうなった場合は、5度の音を人差し指で押さえます。
開放弦を使うパワーコードは「E」「A」「D」にほぼ限られるので、押さえ方をきちんと覚えておきましょう。
「A」のパワーコードを弾くバージョン
「D」のパワーコードを弾くバージョン
パワーコードを弾くために覚えることとは?(指板上のドレミ)
パワーコードのフォームが安定してきたら、次に指定されたコードを弾く練習をしていきます。
例えば「G」をパワーコードで弾く!と言われて、すぐにGを弾くためにはどうすればいいでしょうか?
それは
「指板上のドレミ(コード記号)を覚える」
ことになります。
パワーコードで曲を弾けるようにするために、6弦と5弦のルートの音を覚えることが必要になります。
ではこの図を見てください。
表示されている音階を「人差し指」で押さえ、それに5度上の音を追加すればパワーコードとなります。
例えば先ほどの「G」であれば
- 6弦3フレット=G
- 5弦5フレット=5度上D
となります。
例題として
G| C| D| D
というコードをパワーコードで弾いてみましょう。
指板上のアルファベットを見ながらG、C、Dを人差し指で押さえます。
- G=6弦3フレット
- C=5弦3フレット
- D=5弦5フレット
そしてパワーコードフォームで弾いていただければ簡単に弾けることがわかると思います。
実際に弾くとこのような感じです。
指板上の音階がわかれば、簡単にいろいろな曲が弾けるようになります。
コード記号を見ただけですぐに弾けるようになるまで練習してみましょう!!
パワーコードでメジャーとマイナーはどうするの?
パワーコードを弾いていく上で気になった方もいるかもしれませんが
「コードのメジャーとマイナーはどうなるの?」
という疑問が出てきます。
そもそもパワーコードは
1度=ルートの音+5度上の音
という2つの音しか鳴っていないため、メジャーとマイナーの区別がありません。
参考までに
- メジャーコード=長3度の音の響き
- マイナーコード=短3度の音の響き
となるため、その音がパワーコードには含まれていないのです。
つまり
「パワーコードはメジャーマイナーを無視して弾ける!!」
ことがメリットになります!
長渕剛さんの「とんぼ」をパワーコードで弾いてみる
以前、コード弾きのページで紹介した長渕剛さんの「とんぼ」という曲のイントロ部分のコードを見てみると
ご覧いただくとわかるように、メジャーコードとマイナーコードが混在しています。
パワーコードで弾く場合は、コードネームだけを見てパワーコードのフォームで弾くだけになり簡単になります。
実際にパワーコードでとんぼを弾くとこのようになります。
メジャーコードとマイナーコードの区別はありませんが、コードの進行は自然に聞こえるかと思います。
パワーコードを使えば色々な楽曲が簡単に弾けるので、ギター初心者の方も積極的にパワーコードで曲を弾いてみましょう!
音色によるパワーコードの響きの違いを知る
パワーコードは主にロック系の曲で多く使われますが、実際にどういった音色で弾くことが多いのでしょうか。
ギターには大きく分けて
- アンプを歪まない設定にした「クリーントーン」
- アンプもしくはエフェクターで軽く歪ませた「クランチ」
- アンプもしくはエフェクターで大きく歪ませた「ディストーション」
と言われる3種類の音色がよく使われます。
パワーコードはこれら全ての音色で使われますが、楽曲の種類や場面によって音色が決められていることが多いです。
クリーントーンのパワーコード
クリーンな音色でのパワーコードは、主にポップスなどで使われます。
ギターの音色は歪ませるほどロック感が出るので、軽く聴かせたいポップスなどでは軽めの音でパワーコードを弾きます。
曲中の場合、主にオケ全体が静かな場所などで使われることが多くなります。
例えば歌とパワーコードだけだったり、Aメロなどでオケの楽器が少ない場面などで弾いたりします。
実際にクリーントーンでパワーコードを弾くとこのようになります。
頻度的にはあまり多くはありませんが、クリーントーンで弾くとこういった音になるということを把握しておいてください。
クランチサウンドによるパワーコード
一般的に一番多く使われるギターサウンドが「クランチサウンド」になります。
クランチとは、アンプもしくはエフェクターで少し歪ませた状態の音色のことです。
ポップスやロック、ファンクなど色々なジャンルで幅広く使われる音色で耳にする機会も多いと思います。
いわゆるポップス曲では、こういったクランチサウンドでパワーコードを弾くことも多くなります。
実際にパワーコードをクランチサウンドで弾いてみるとこのようになります。
いかがでしょうか。
適度にロックであり、ポップさも保たれているようないい感じの演奏に聞こえますね!
お手持ちのアンプやエフェクターがある方は、ぜひこういったクランチサウンドでパワーコードを弾いてみてください。
ディストーションによるパワーコード
ディストーションサウンドはかなり激しいロックやハードロック、ヘビーメタルなどのジャンルでよく使われます。
極端に歪ませた状態でのパワーコードは音圧や威力がかなりあり、存在感がとても大きくなります。
このようにかなり攻撃的なロックサウンドが得られるため、勢いを出したい曲などで使われることが多いです。
このようにパワーコードは音色によって鳴り方や響きが変わりますので、色々な音色で練習してみましょう!!
ミュート奏法とは?
パワーコードを弾く上で必ずと言っていいほど使われる奏法として「ミュート奏法」があります。
具体的な方法は、弾いている右手をフリッジ寄りの弦に少しだけ触れながら弾きます。
1つの弦、もしくはパワーコードの2つの弦をまとめてミュートして弾くことが大半です。
実際に弾いてみるとこのようになります。
クリーントーンで弾くとミュート感がわかりにくいですが、歪ませた音色だとはっきりとミュートサウンドが認識できます。
ミュート奏法はどのような音色でも使いますが、最初は歪んだ音色で練習するとわかりやすくなります。
このミュート奏法はかなり頻度の高い奏法です。
色々な場面で使いますので、しっかりとミュート感覚をつかみ弾けるようにしていきましょう!
チェックポイント
右手ブリッジの場所によって、ミュート奏法は音がかなり変わります。
例えばブリッジに寄りすぎるとミュートが甘くなり、弦をミュートしすぎると音が完全に切れてしまいます。
ミュートが甘いパターン
ミュートがきつすぎるパターン
ちょうど良いミュートの位置を探し、そこで綺麗なミュート音が出るまでしっかり調整しましょう!!!
パワーコード奏法とミュート奏法を組み合わせてみる
ミュート奏法が出来てきたら、パワーコードで通常の奏法とミュート奏法を組み合わせて弾いてみましょう。
例えばこんなフレーズになります。
コードでいうと
C→G→Am→F
を全てパワーコードで弾き、かつミュートを織り交ぜながら弾いています。
パワーコードにミュート奏法をまぜると、このようにリズム感が生まれ、より躍動感ある演奏ができます。
色々なパターンでミュートを組み合わせることができるので、皆さんも色々アレンジして弾いてみましょう!
パワーコードで簡単な曲を弾いてみよう
ではパワーコードで簡単に弾ける曲を実際に弾いてみましょう!
モンゴル800「小さな恋のうた」はパワーコード主体のギターで構成されており、初心者の方の練習に最適です。
この曲のサビのコード進行を見てみましょう。
モンゴル800「小さな恋のうた」コード進行
E→F#→G#m→D#m→E→B→F#→B
- E→6弦0フレット(開放弦)
- F#→6弦2フレット
- G#→6弦4フレット
- B→5弦2フレット
- D#m→5弦6フレット
このコードの繰り返しになります。
これをパワーコードで弾くとこのようになります。
コード進行だけをみると、メジャーとマイナーコードが混在していて難しい!と思うかもしれません。
パワーコードで弾けばルートの音さえわかっていれば弾けるのでとても簡単になります。
こういった曲調だとパワーコードで弾いている場合も多く、ギター初心者の方でも弾きやすいと思います。
チェックポイント
この曲のギターのように、歪ませた音でサビコードを弾いてみましょう。
歪ませた音で弾くと、余計な雑音やノイズが気になることがあります。
そういった気になる音をなるべく排除し、綺麗に鳴らしながら弾くのもまた練習です!
歪んだ音ほど綺麗に音を出して弾くのが難しいので、しっかりとノイズ処理しながら弾く練習もしましょう!!!!
最後に
パワーコードは弾けるようになると数多くの楽曲が弾けるようになります。
またかっこいいギターフレーズも、パワーコードを軸として作られていることも多くとても実用的です。
ぜひパワーコードをマスターし、かっこいいロックギターをガンガン弾いてみてください!!