チョーキング奏法をマスターしたい方へ!
ギタリストが楽曲の中で一番目立てるポイント、それは「ギターソロ」になります。
ギターを弾く人にとって、かっこいいギターソロを弾くことが憧れであり、そのためには色々な奏法が必要になります!
その中で最も重要な奏法が「チョーキング奏法」!チョーキングしないギターソロはない!といってもいいくらい頻度の高い奏法です。
そこで、この記事では音楽講師のDaisukeが、チョーキング奏法とは何か?種類、やり方、コツ、練習方法を徹底的に解説いたします!
チョーキング奏法をしっかりマスターして、表現力の高いギターソロが弾けるようにしていきましょう!
まずは私、Daisukeの自己紹介
どうも、音楽講師のDaisukeです。
現在私は作曲・編曲・DTM・ギターレッスンの講師及び職業作家として活動しております。
私の詳しい経歴は、以下をご確認下さい。
ギターソロでよく使われるチョーキング奏法とは??
ギターソロの中で表現力が一番問われると言っても過言ではない奏法が「チョーキング」になります。
ではチョーキングとはどういった奏法なのでしょうか。
のことであり、ギターソロの中にチョーキングしないソロはない!といってもいいくらい頻度の高い奏法になります。
チョーキングはギターソロ以外の歌の裏の伴奏でも出てくることがありますので、必ず弾けるようにしておきたい奏法になります。
まずは「チョーキング=弦を持ち上げる!」と覚えておいてください!
チョーキング奏法の例(Santana – Corazon Espinado)
カルロス・サンタナは哀愁系ギタリストとして世界的に活躍しています。
このイントロのフレーズ(0:11、0:19付近)がまさに「チョーキング」を駆使した泣きのギターソロですね!!
チョーキングの前に、ギターソロを弾く上で大切なこととは?
チョーキングも含め、ギターソロには色々な表現方法があります。
ギターソロを生かすも殺すもその人の演奏次第になりますが、ではギターソロにおいて気にするポイントとは何なのでしょうか。
ギターソロは表現力とニュアンスが命!
ギターソロは個性が出ます。
その個性を作り出しているのはその人が持つ表現力であり、どういった気持ちで弾くか、どういったニュアンスで弾くかで変わってきます。
チョーキングも色々な表現ができる奏法になりますので、こういった表現力を気にしながら弾くと聞こえ方も変わっていきます。
先ほどのサンタナも独自の表現力で世界観を作っています。
自分だけのオリジナルな表現方法でギターソロを彩る、そんな心でソロを弾くといいですね!
ギターソロは歌うように弾く
チョーキングは弦を持ち上げることで、声でいうところの「しゃくり」のようなものを表現します。
このしゃくりがない歌を聴くと、おそらくとても機械的で抑揚のないメロディに聴こえます。
ギターソロも同じで、メロディの羅列を淡々と弾いただけでは流れのいいソロに聴こえなくなってしまいます。
「歌うように弾く」これはまさに大切なテーマで、ギタリストによってはソロフレーズを歌いながら弾く人もいます。(私もそうです。笑)
先ほどの表現力とも繋がりますが、抑揚・歌うように・ニュアンスなどを意識してソロを弾くと聴こえ方が全く違うものになります。
チョーキングはその表現が最もしやすい奏法と言えます。そんなことを意識しながらチョーキング奏法もしっかりと弾けるようにしていくといいでしょう。
チョーキング奏法の種類と基本的な弾き方
では具体的なチョーキング奏法の種類と弾き方についてみていきましょう。
一言でチョーキングといっても、様々なチョーキングの種類があります。
これらを使い分けることでギターの表現力が格段に上がりますので、一つずつしっかりと弾けるようにしていきましょう!
チョーキング種類①1音上げチョーキング
例えば音程でいうと
- ド→レ
- ファ→ソ
のように上げることになります。
楽譜の表記上は「Cho」「C.」といった文字で書かれることが多いです。
注意点
注意点としては、
「ミ→ファ」や「シ→ド」の場合、音階的には半音しか上がっていないため、この場合は
「ミ→ファ#」「シ→ド#」となることを覚えておいてください。
チョーキング種類②1音上げチョーキング7フレット
では実際に弾いてみるとこのようになります。
弦を下から上に持ち上げるようにして弾くのがポイントです。
練習では最初に、チョーキングで到達させる音を弾いて音程を確認します。
その後、その音に向かってチョーキングをして狙いの音程に合わせていきます。
チェックポイント
思ったように弦が持ち上がらない、音が到達しないなどチョーキングは最初難しく感じるかもしれません。
最初は2弦、3弦がやりやすいので、その辺りの弦で練習すると感覚が掴みやすいです。
譜面は7フレットあたりで行なっていますが、慣れてきたら高温の15フレットあたりで練習してみてください!
チョーキング種類③半音上げチョーキング(ハーフチョーキング)
次に先ほどよりも上げ幅の少ない「ハーフチョーキング」を弾いてみましょう。
こちらは「ミ→ファ」や「シ→ド」のように、音階的に半音上を狙うため、上げること自体は楽になります。
楽譜では「H.C.」や「h.Cho」などと表記されることが多いです。
先ほどの1音上げチョーキングと同様、目的の音を確認してから弾いてみましょう。
チョーキング自体は1音上げと同じですが、半音という微妙な音程を狙うのが慣れが必要です。
やはり到達する音を最初に確認し、その音程を目指してチョーキングを繰り返し練習してみてください。
チェックポイント
自分が弾けているか確認するために、携帯電話などで音を録音して弾いたチョーキングを聴いてみましょう。
そうすることで、本当に弾けているのか判断が客観的にできますよ!!!
チョーキングにかかわらず、私もギター練習の時は録音して確認を繰り返しています!!
チョーキング種類④1音半チョーキング
1音上げや半音上げに慣れてきたら、今後は少しレベルの高い「1音半チョーキング」にチャレンジしてみましょう。
頻度は少ないですが、ギターの表現としてはぜひ弾けるようにしておきたいチョーキングになります。
表記は「1HC、1h.Cho」などになります。
弦を持ち上げる幅が大きくなるため、なかなか上がらない人もいますね。
譜面は一番上がりやすいと思われる2弦15フレットあたりにしています。
弦の太さなどで上がりにくい場合もありますので、あまり無理はせずできる範囲で狙っていってください!
チョーキング種類⑤クオーターチョーキング(1/4上げ)
先ほどの半音チョーキングよりも更に半分の音を上げるチョーキングを「クオーターチョーキング」と言います。
音程でいうところの1/4上げるといった感覚なのですが、非常に微妙な音程を狙って少しだけ上げるようなチョーキングになります。
表記は「Q.C.」などになります。
主にブルースなどのジャンルで使われますが、この微妙なニュアンスがギターソロの表現に良かったりします。
こういったチョーキングも覚えておきましょう!
チョーキング種類⑥チョークダウン
チョークダウンは、「もともとチョーキングしている弦を下げる」という奏法になります。
譜面の表記上は「D」と書かれることが多いです。
チョーキング自体は弦を上げる奏法ですが、チョークダウンは音を下げる奏法になります。
チョークダウンは泣きのギターソロで使うことが多く、より叙情的なフレーズに聴こえます。
表現方法の一つとして弾けるようにしておくと、ギターソロが変わりますのでぜひ弾けるようにしてください!
このようにチョーキングにも様々な種類があります。表現方法として是非とも各種チョーキングを使えるようにしていきましょう!
弦によって異なるチョーキングのやり方
基本的にチョーキングは全ての弦でできますが、どの弦をチョーキングするかでやり方が変わってきます。
それでは弦によるチョーキングの違いをみていきましょう。
1、2、3弦によるチョーキングのやり方
高音弦である1、2、3弦のチョーキングは、下から自分の方向に向けて持ち上げるような感覚で行います。
どの弦も同じですが、
- 1、2弦15フレット
- 3弦14フレット
でのチョーキングを例にするとこのようになります。
基本は薬指でチョーキングになります。他の指でもできますが、かなり持ち上げるのがキツイので薬指が一般的です。
目的の音程にきちんと到達するようしっかりとチョーキングしてみましょう。
5、6弦によるチョーキングのやり方
低音弦となる5、6弦のチョーキングはやり方が異なります。
この場合先ほどの高音弦とは逆で、弦を下に下げるようなイメージでチョーキングします。
試しに6弦7フレットでのチョーキングはこのようになります。
6弦の場合、先ほどの1、2、3弦のように持ち上げてチョーキングすると、弦が指板から落ちてしまい音が出なくなってしまいます。
また下げる方向にチョーキングした方が力的にもやりやすくなります。
5、6弦のチョーキング頻度はそこまでありませんが、出てきた時のためにしっかりとできるようにしておきましょう!!
4弦チョーキングのやり方
4弦チョーキングの場合はどちらでもよく、やりやすい方を選択しましょう。
大事なのはしっかりと目的の音程にチョーキングできることなので、チョーキングしやすい方で練習してみてください!
正確な音程でチョーキングをするために
到達させるべき音程がもしずれていた場合、チョーキング、そして弾くフレーズ自体も心地よく聞こえなくなります。
では正確な音程でチョーキングするためのコツを見ていきましょう。
①到達する音程を最初に弾いてみる
一番確実なのは、チョーキングによって到達する音程を最初に弾いてみることです。
例えば2弦の5フレットを全音(1音上げ)チョーキングするとします。
先ほど1音上げチョーキングの際、音程が全音分上がるということを説明しましたが、
- 【チョーキング前】2弦5フレット→ミ(E)
- 【チョーキング到達音程】2弦7フレット→ファ#(F#)
となります。
先に2弦7フレットを弾いて音程を確認しましょう。もしくは1弦の2フレットも同じファ#なので、そちらで確認していただいても構いません。
そこでしっかりと到達させる音程を記憶し、その音程を目指してチョーキングを練習してみます。
これを何度も繰り返すことで、だんだんと狙った音程にチョーキングできるようになります。
②チューナーを使う
もう一つチョーキングの音程を合わせる練習として「チューナー」を使う方法があります。
チューナーは物にもよりますが、音程を指定して測定する、もしくは自動で音程を判定する機能がついています。
先ほどと同じように2弦の5フレットをチョーキングすると、到達がファ#(F#)になります。
これをチューナーで確認するとこのようになります。
チューナーは正確に音程を測れますので、チューナーを確認しながらチョーキング練習もやってみて下さい!
チョーキング奏法の指や腕の使い方
チョーキングしようとしてもなかなか弦が持ち上がらない・・・という方も多いです。
そういった方は次に挙げるチョーキングの指の使い方を確認してみましょう。
①指だけであげようとせず、手首から持ち上げるイメージで行う
指だけでチョーキングしようとしても、なかなか弦が持ち上がらないことがあります。指自体はそれほど力が強くないので、指だけでは実際のところチョーキングはきついです。
そういった場合は、手首から弦を持ち上げるようなイメージでチョーキングしてみましょう。
手全体を使って弦を持ち上げるようにチョーキングすると、弦が上がりやすくなります。
②他の指を添えてチョーキングしてみる
指一本だけでチョーキングしようとすると、なかなか弦が持ち上がらないことがあります。
そういった場合はチョーキングする指に対して、他の指を添えてチョーキングしてみましょう。
他の指が支えになっているだけで、チョーキングする弦が上がりやすくなります!!
その他のチョーキングで気をつけるポイント
正確な音程でチョーキングできること以外にも、気をつけるべきポイントがいくつかあります。
綺麗なチョーキングになるような方法や表現方法についてもみていきましょう。
①ノイズが出ないように他の弦をミュートする
チョーキングは基本的に鳴らす弦以外の音が出てしまうと音が濁ってしまい、綺麗に聞こえなくなってしまいます。
これを避けるために、他の弦を右手や左手でミュートしながらチョーキングする必要があります。
イメージとしては、
- 高音弦のミュートは左手
- 低音弦のミュートは右手
で行うとやりやすいです。
例として2弦12フレットをチョーキングする際のミュートはこちらになります。
特にギターアンプを繋いで演奏していると、弾いていない弦をミュートしていないと余計な音が増幅されノイズが出てきます。
そういったノイズを避けるためにも、弾かない弦をしっかりミュートする練習をしましょう!!
②チョーキングの速度に注目する
チョーキングは歌と同じように、ギターのフレーズを滑らかに歌わせるような効果があります。
そしてチョーキングのスピードは、ギターフレーズの表現にはとても大事な要素となります。
例えば粘り気の強いギターソロを弾きたければ、チョーキングをゆっくり上げていったりします。
また連続して同じ音を素早くチョーキングするようなフレーズの場合は、チョーキング速度を速めて何度も行います。
チョーキングスピードにルールはありませんが、ギタリストの癖が出やすく、それが表現の個性となります。
自分が表現したいギターフレーズを想像しながら、チョーキングスピードも色々試してみましょう!
③やりすぎると指が痛くなるので注意!
チョーキングは指に結構な負担をかけます。やりすぎると当然ですが指を痛めます。笑
適度に練習し、指が痛くなってきたら別の練習をするなど、ペース配分を考え指を痛めないようにしましょう!
複数弦でのチョーキング奏法
基本的なチョーキングができるようになったら、次に複数の弦をチョーキングしてみましょう。
複数弦のチョーキングには2種類のやり方があり、どちらも使うことがありますので練習しておくとよいでしょう。
①指一本で複数弦をチョーキングする
1本の指で2本の弦をチョーキングすることがあります。同じフレットで指をバレーさせてチョーキングしていきます。
例として2、3弦の7フレットを1本指でダブルチョーキングしてみます。
主にブルージーなギターソロやフレーズで使われ、薬指で2弦3弦をバレーしてチョーキングすることが多いです。
1本弦のチョーキングよりも力がいるのでなかなか弦が持ち上がらないかもしれませんが、慣れるまで練習を繰り返していきましょう。
②2本の指でで2本の弦をチョーキングする
先ほどのバレーによるチョーキングとは別に、弦1本に対してそれぞれの指でチョーキングすることもあります。
楽譜上は同じですが弾き方が異なります。
2本の弦を別々の指でチョーキングするとこのような弾き方になります。
色々なチョーキングの表現方法
ここまでチョーキングの基本的なやり方を説明してきましたが、ここで実践的なチョーキングのフレーズ例をいくつかみていきましょう。
チョーキングはギタリストによってやり方が様々であり、同じように弾いてみることで表現方法を学んでいくことができます。
〜チョーキングによるフレーズ例の紹介〜
冒頭ではSantanaのギターチョーキングフレーズを紹介しましたが、他にも色々なチョーキングを含んだ演奏例をみていきましょう。
ヨルシカの楽曲「花に亡霊」
では最初に今人気の「ヨルシカ」の楽曲「花に亡霊」のチョーキング例を見ていきましょう。
こちら楽曲の1:01〜あたりからのギターフレーズでチョーキングが使われています。
チョーキングなしで弾くと少し味気ない感じのイントロソロになりますが、チョーキングを入れることでメロディが滑らかになります。
この曲の雰囲気を作る重要な要素となっていますね!
Lenny Kravitzの「Are You Gonna Go My Way」
では次に大ヒットした「Lenny Kravitz」の代表曲でもある「Are You Gonna Go My Way」のイントロフレーズを見てみましょう。
イントロのフレーズからいきなりチョーキング!
遅れてオクターブ上のギターがさらにチョーキングで入ってきます。
チョーキングのインパクトが相当あるイントロで、誰でも一度聞いただけで覚えてしまいます。
METALLICAの「Nothing Else Matters」
続いては「METALLICA」の「Nothing Else Matters」ギターソロ部分を聴いてみましょう。
4:56あたりからギターソロになりますが、スタートから2本弦のダブルチョーキングになっています!
このように、ジャンルを問わずいろいろな楽曲でチョーキングが使われております。楽曲の中でもしチョーキングフレーズを発見したら、すぐに練習しそのニュアンスを掴むという練習をしてみましょう!
まとめ
ギターにおけるチョーキングは、ギターの表現の中でもとても重要度の高い演奏方法になります。
チョーキングを使いこなすことで、自分だけの味のあるギターフレーズやソロを作り出すことができます。
積極的にチョーキングを取り入れ、素敵なギター演奏をしてください!!以上、最後までご覧いただき有難うございました!