リズムに上手に乗れる練習方法を知りたいギター初心者の方へ。
ギターで楽曲を弾けるようになるための大事な要素として「リズム」があります。
どんなにコードやメロディが弾けても、きちんとしたリズムに乗って演奏しないと上手に聞こえない演奏になります。
基本的なコードが押さえられたら、ここでしっかりと「リズム」を把握し、ノレる演奏をしていきましょう!!!!
この記事では、音楽講師のDaisukeがギター初心者の方でもリズムに上手に乗れる練習方法とコードチェンジスピードアップ術を分かりやすく解説していきます!
まずは私、Daisukeの自己紹介
どうも、音楽講師のDaisukeです。
現在私は作曲・編曲・DTM・ギターレッスンの講師及び職業作家として活動しております。
私の詳しい経歴は、以下をご確認下さい。
ギターを弾くための右手奏法の種類とは?
ギターにおいて、リズムを表現するのは「右手」になります。
そしてこのリズムを色々な形で表現していくためには、右手による様々な「奏法」を必要とします。
まずはリズムの話をする前に、ギターを演奏する上で必要となる右手の奏法を把握しておきましょう。
右手奏法の種類
ギターでは一般的な右手の奏法として
- ストローク奏法
- アルペジオ奏法
- カッティング奏法
- 爪弾き奏法
特別な奏法として
- タッピング(ライトハンド)奏法
- スウィープ奏法
- スラップ奏法
などがあります。
ここでは実戦でもよく使われる、ギター初心者の方が覚えるべき奏法をピックアップして説明します。
ストローク奏法
ギターにおける伴奏として一番使われるのが「ストローク」という奏法になります。
左手でコードを押さえ、右手で全ての弦を上下に振りながら演奏する奏法となります。
エレキギターでもアコースティックギターでも演奏頻度が高く、必ず最初に覚えておきたい弾き方です!
ストロークのコツ
ピックを持つ力が強いと、ピックが弦に引っかかりやすくなり弾きにくくなります。
少し緩いかなと思うくらいの力で、ピックを弦に対して思っているより優しく当てるように弾いてみてください。
アルペジオ奏法
ストローク奏法と並んで頻度の高い奏法が「アルペジオ」奏法になります。
アルペジオ奏法は、押さえたコードを弦を1本ずつ音を切らずに弾くことになります。
例えばCのコードでアルペジオ奏法をするとこうなります。
楽曲の中では主に静かな演奏の時や、メロディアスなバラードの伴奏などでよく出てきます。
アルペジオ奏法のコツ
コードの中で指が触れて、鳴っていない弦などがあると、アルペジオの響きが止まってしまいます。
全ての弦の音が出るかをチェックし、コードごとにアルペジオで音が出るかを確認していきましょう。
カッティング奏法
ギター初心者の方には少し難しい奏法ですが、いろいろなジャンルで使われるのが「カッティング」です。
カッティング奏法は、ストロークに実音を出さない「ブラッシング」を混ぜてよりビート感を強調した奏法になります。
コードを押さえて行う場合や単音で行う場合、フレーズにカッティングを入れ込むなど様々なやり方があります。
ギター初心者の方は、最初はこういう奏法があるんだと知ることだけでいいと思います!
爪弾き奏法
ギターを指で弾く奏法のことで、主に静かなバラードなどで使われることが多いのが特徴です。
有名な曲として、Eric Clapton「Tears In Heaven」はこの爪弾き奏法で綺麗なイントロフレーズを奏でています。
通常のピック奏法では得られないなんとも優しい音色が心地よいですね!
その他の特別な奏法
ギターには先ほど記述した以外にも右手の奏法はあります。
これらは頻度があまり高くない特殊な奏法なので、参考程度に頭に入れておきましょう。
タッピング(ライトハンド)奏法
右手の人差し指、もしくは中指で直接指板を押さえる奏法になります。
この奏法の利点は、速いフレーズも比較的簡単に弾けるようになることです。
この奏法で代表的なギタリストが「Eddie Van Halen」ですね。
最近またこのタッピング奏法をするギタリストが増えており、できるようになると武器になりそうです。
スウィープ奏法
高速でギターソロを弾くのに効果的な奏法として「スウィープ」があります。
これは弦に対してスウィープ=掃く、つまりほうきで掃くように弾く奏法のことになります。
代表的なスウィープを使うギタリストは「Yngwie Malmsteen」でしょうか。
80〜90年代にギタリスト達に衝撃を与えた彼のギタープレイは必見です!!!
右手があまり動いていないように見えるのに、ものすごい速いフレーズを弾いていますね。
まさにギターフレーズを速いスピードで弾くための省エネ奏法とも言えます。
スラップ奏法
右手で弦をはじくように弾くのが「スラップ」という奏法になります。
主にベーシストがする奏法なのですが、近年ではギタリストも多く使うようになってきました。
スラップギタリストの代表は「MIYAVI」ではないでしょうか。
右手がピック奏法になったりスラップ奏法になったりするのがわかりますね。
指ではじいてる時は独特のリズミカルな音になるのが特徴です。
このようにギターの右手の奏法は色々とありますが、ギター初心者の方はまずストロークとアルペジオを弾けるようにしましょう!
テンポ=BPMとは?世の楽曲の多くは一定テンポで進行する
皆さんはしっかりと「テンポ」について把握できていますか??
普段からよく耳にしている楽曲は、ほとんどの場合が「一定のテンポ」で進行しています。
ギターを演奏する際も、一定のテンポで演奏できることが必要となってきます。
ではそもそもテンポとはなんなのでしょうか?
テンポとは
テンポとは、「1分間に何回カウントするかを数字化したもの」になります。
テンポは別名「BPM(Beats Per Minite)」とも呼ばれ、このテンポを基準として楽曲の中で演奏を合わせていきます。
例えば1分というのは60秒のことなので、1秒はテンポ=60ということになります。
そしてこのテンポ(BPM)を基準に、楽曲の大まかな曲調(ジャンル)やスピードを表現することがあります。
大まかにいうと
- BPM50〜75 スロー、バラード楽曲など
- BPM75〜100 ミディアムバラード、R&B、ヒップホップ系など
- BPM100〜140 ノレる系、ダンス、ディスコ、ファンク系など
- BPM140以上 ロックや疾走系、サンバなど
厳密に言えばもっと細分化できますが、おおよそテンポ感によってこのようなイメージになります。
そしてその雰囲気や曲調に合わせたギター奏法ができることが最終理想形になります。
初心者の方はいろいろな楽曲を、こうしたテンポと曲調や雰囲気を意識して聞いてみましょう!
テンポのチェックには「メトロノーム」
では実際にテンポはどのようにしてわかるのでしょうか。
テンポの測定や練習に使われるのが「メトロノーム」になります。
現在は携帯アプリやインターネットのページにもあり、簡単に使うことができます。
参考例:アプリ「Metronome: Tempo Lite メトロノーム」
メトロノームの「タップ機能」
実際の楽曲のテンポはメトロノームの「タップ機能」というもので計測可能です。
楽曲の4分リズムに合わせて「TAP」というボタンを押し続けると、自動的にそのテンポを検出してくれます。
動画では、遅いテンポや速いテンポでタップ機能で指で調整してテンポを決めています。
このようにして、実際に楽曲を聴きながら指でおおよそのテンポを測る練習をしてみましょう!
リズムの基本は4分音符と8分音符!
では次に、一定のテンポの中でギターを弾く際の音符の長さについてみていきましょう。
4分音符とは?
では最初に4分音符をしっかりと把握していきましょう。
4分音符とは「1小節の中で均等に4回カウントする長さの音符」のこととなります。
楽譜表記をするとこのようになります。
では実際に例として、テンポ100で4分音符でコード「C」を弾いてみるとこうなります。
ギターは基本的に、誰かのリズムに合わせて弾くことが多い楽器です。
メトロノームに合わせて練習することで、他の楽器演奏をあわせやすくなります。
最初は自分のテンポで弾いていいですが、慣れてきたら色々なテンポを決めて練習してみましょう!
4分音符ができたら8分音符のリズムを弾いてみる
メトロノームで4分音符のリズムで弾けるようになってきたら、次は8分音符で弾いてみましょう。
8分音符は4分音符の倍、つまり1小節で8回均等にカウントされる音符の長さということになります。
楽譜としての表記はこうなります。
こちらも先ほどの4分音符と同様、メトロノームで決めたテンポで弾けるように練習していきます。
先ほどのようにテンポ100だと最初少し速くて難しいので、テンポ80くらいから弾いてみましょう。
まずはリズム感を掴むために簡単なダウンストロークのみで、しっかりとメトロノームに合わせて弾く練習をします。
ここが安定しないと更に複雑なリズムで弾くことができなくなりますので、じっくり弾きこんでくださいね!!!
リズムの取り方の基本は「体で感じる」こと!!
リズムはギターを弾く上でとても重要であり、リズムがよければシンプルな演奏でもカッコよく聞こえます。
ではこのリズムをよくする、安定させるにはどうすればいいでしょうか?
その答えはズバリ
「体全体でリズムを感じ取る」
ことです!!!
皆さんは音楽をどういう風に聴いていますか?
楽曲の歌詞や歌のメロディを聴いて、いい曲だなぁ〜と思って終わり!という方が多いと思われます。笑
ここで音楽を聴く際、その曲のリズムに注意して聴いてみてください。ほとんどの曲にはその曲が持つリズム、ビート感というものがあります。そのリズムに対し身体、特に肩を使ってリズムを取る癖をつけていきましょう。
リズムの取り方のコツ
メトロノームの音はピッピッピやカチッカチッと機械的に鳴るため、どうしても音1つごとに点で捉えてしまいがちです。
楽曲というものは常に止まらず流れており、点で捉えていると毎回流れを止めてしまっているような感覚になります。
リズムを点でとっている場合はこのようになります。
リズムを点ではなく円で捉えるイメージとしては、反時計回りの円を1拍ごとに描くよう意識して音楽を聞いてみてください。
こうすることで、リズムを流れたまま捉えるイメージがしやすくなっていきます!!
実際に4分音符でストロークしてみる
リズムというものを円で捉えられるようになってきたら、実際に4分音符でストローク奏法してみましょう。
先ほども説明しましたが、メトロノームのテンポにしっかりと合うように演奏します。
先ほどはBPM100というテンポで練習しましたが、これを色々なテンポでコードCで3パターンほどやってみましょう。
BPM80での4分音符ストローク(ダウンのみ)
BPM130での4分音符ストローク(ダウンのみ)
BPM160での4分音符ストローク(ダウンのみ)
いわゆるスロー、ミディアム、アップという3段階のテンポでの4分音符ストロークになります。
どのようなテンポになってもリズムの捉え方や弾き方は一緒です。
スピードが速いほど慣れるのに時間がかかりますが、掴めてしまえば同じように弾けるようになります。
Cで慣れてきたら色々なコードで弾いていきます。
例えばコード「D」の場合、5、6弦は弾いてはいけないことになりますので、ストロークの際は気をつけましょう。
8分音符でのストローク練習
4分音符のストロークに慣れてきたら、次は8分音符でのストロークの練習をしていきます。
先ほどと同じように、3つのテンポで8分音符によるストロークを行います。
では今度は3種類のテンポでコードを「G」で弾いてみましょう。
BPM80での8分音符ストローク(ダウンのみ)
BPM130での8分音符ストローク(ダウンのみ)
BPM160での8分音符ストローク(ダウンのみ)
8分音符の中で表のリズムを強、裏の音符を弱で演奏することでリズムの抑揚がでます。
メトロノームに合わせる場合クリック音が出るポイントを強く弾き、それ以外を弱く弾くというイメージです。
頭の中で「強い、弱い、強い、弱い」と思いながら実際に弾くとより強弱をつけるのが楽になります。
また弱く弾く際に弦全てを鳴らそうとせず、数本の弦に軽く当てるように弾くのもポイントです。
このように、弱い部分をできるだけ弱く弾くことで強弱がよりはっきり出るようになります!!!
8分音符でコードチェンジしてみる!
強弱までつけて8分音符を弾けるようになってきたら、その状態でコードチェンジを入れていきましょう。
例えば1小節ずつC→G→C→Gと繰り返していきます。
強弱をつけながら8分音符でのコードチェンジは最初難しいと感じる方が多いと思います。
最初はとにかくゆっくりのテンポで行い、できるようになってから徐々に速くしていきましょう。
ここでもメトロノームを使い、一定のリズム感をキープしながら弾いてみてくださいね!!
コードチェンジスピードアップの肝はこれ!!
コードチェンジが間に合わない方は、コードの頭で合わせにいくことをイメージしてみましょう。
8分音符でコードを最後まで弾くと、当然ですが次のコードへのチェンジ対応が遅れてしまいます。
動画では少し大げさに7、8拍目で手を開いてコードチェンジをしてみました。
コードの頭が合うと、前のコードを弾きか切らなくてもちゃんと弾けているように聴こえたと思います!!
こうして徐々に頭を合わせることに慣れていき、できるようになってきたらギリギリまでコードを弾くようにしていきましょう。
そして更にコードチェンジを速くするために最も有効な練習方法は
ズバリ
「できないスピードで強制的に弾いてみる!」
です!!
実はメトロノームを使わずに自分の中でリズムを決めて練習すると、一向にコードチェンジが速くならないのです。
そこでメトロノームを使い少しずつテンポを上げていき、追いつかなくなるまでテンポを上げます。
参考例
- CとGのコードチェンジ練習で、最初テンポ70程度からスタート
- できたらテンポを5ずつ上げていく(75、80、85・・・)
- できなくなったところで更に少しテンポを上げてみる
- 何度かチャレンジし、スピード感覚に慣れる
- 先ほどできなくなったテンポに戻して再び弾いてみる
こうすると多くの方は少し遅く感じ、最初の頃よりもコードチェンジが速く弾けるようになります。
これはコードチェンジに限らず、フレーズ練習やその他の奏法練習も同じ効果が期待できます。
こうしたメトロノームによる徐々にスピードアップしていく練習法を習慣化させていきましょう!!
コードチェンジのコード数を増やしていく
2つのコードでスピード感あるコードチェンジができるようになったら、コード数を3つ、4つと増やしていきます。
ここまで行ってきた4分音符、8分音符と強弱やメトロノームでのスピードアップなどをふまえていきましょう。
コードが増えてくるとそれだけ考えることが多くなり、次のコードに間に合わないことも増えてきます。
それらをしっかりと克服していくためにも、いろいろなコードの組み合わせで練習していくことが大切です。
コード進行例
G D Em C
C D G Em
G D Em D C G Am D(通称カノン進行)
このようにオープンコードだけでもつなげて弾けば曲になるコード進行があります。
このようなコード進行を、曲の伴奏をするようなイメージで一定のテンポで弾けるように練習し、慣れていきましょう!
前回のとんぼを4分音符、8分音符で弾いてみる!
前回の記事でも表記しましたが、長渕剛さんの「とんぼ」という楽曲は、ほぼ全てオープンコードで弾くことができます。
この曲のイントロ部分を4分音符、8分音符で弾いてみる練習をしてみましょう。
とんぼイントロコード進行
ここでも8分音符での強弱を意識しながら弾いていき、慣れてきたら原曲のリズムで弾く練習も入れていきます。
この曲においては、手を振りながらアップとダウンによるストロークで弾いています。
先ほどまで基礎練習としてダウンストロークのみで行っていましたが、本人演奏はアップダウン両方使います。
リズムパターンは以下のようになります。
例えば「ジャンジャランジャラン」などというように、口で言える言葉リズムで実際に声に出してみましょう。
それができるようになったら、実際にピックを使って同じようにリズムをストロークしていきましょう。
そしてやはり大事なのは、イントロを同じテンポで止まらずに弾ききる!ということです。
コードチェンジが間に合わないと、どうしてもその時止まってしまったりテンポがずれてしまったりします。
まとめ
いかがでしょうか。
4分音符と8分音符のリズムは演奏の基礎であり、練習で確実にできるようにしておくことが大切です。
ここから更に16分音符リズムへと進むための土台となりますので、しっかり練習してみてください!!
またコードチェンジは慣れの要素が大きいので、こちらも何度も練習しスムーズにできるようにしましょう!!!!